第2章 知覚の理論

文章を読む 文章であることを認識する



単語を読む 言葉であることを認識する


文字を読む 文字であることを認識する

以上のように、知覚する時にはヒトは過去の経験に、その知覚の方法を頼る。
そして、未来の知覚は過去の知覚方法を現在の知覚で修正して新しい知覚方法を作り行われる。
↓↓↓

図式 ※経験を次の図式に役立てる。

更に!!
前の文章は後の文章を理解する手助けとなる。既存の知識・経験は新しい知識・経験を得る手助けとなる。

自身が見ているものを、内にいる小人が処理している



自身の[見て→その映像を理解し→蓄積する]という認知作業の過程を説明するために、[小人が内にいて、その認知作業を行っている]と説明するならば、その小人はどのように、認知作業を行っているのかと言う説明をしなければならない。結局それも、更に、小人の中の小人の作業によるものであるという説明がなされるなら、その説明に終りはない。
P,16の図1(知覚の内部情報処理モデル)を視覚に限ってみる。

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現実世界の多くの情報から一部の、自身に必要な情報のみを抽出し、知覚する。 ※選択的注意…生得的解発刺激という本能的な部分とその後の学習による選択的注意の部分の2種類がある。 私がこの本を読んで、理解が進むのは、かつて学習した認知心理学の諸分野の知識により、注目して読む部分、すなわちこの本が言わんとすることを示す「キーワード」を発見しやすくなっているからである。多くの文字の中から重要語句を選択的に抽出しているのである。

知覚し、情報処理される過程において観察された諸効果 まとまりや連続したものをひとまとまりにして検出器から処理する際に、錯覚が起こる。 (ゲシュタルト) 図式との照合を時間をかけて行い、順応効果が現れる。 反応時間のパターンは、これら内部情報処理過程がスムーズに進むか否かで変わる。

「ギブソンの知覚理論」

簡単な科学の知識

葉っぱが緑色に見えるのは、葉っぱが光の緑色の周波数を透過させずに、反射しているからである。 ギブソンはこの物質が反射させた光の中に、その物質の情報が含まれているのであるという理論を立てた。 よって、ヒトが知覚しようがしまいが、物質からは、その物の情報が発せられている。その中から、自身の選択した知覚対象物だけが、注意(注目)され、知覚され、認識される。 →選択的注意 生き物によって本能的に注意を向け易くなっている対象=刺激がある。 それを生得的解発刺激という。 例えば、カエルは、蛇のような長細いものに注意を向け易い…天敵であり、生命を脅かす存在であるため、本能的に危険を察知し、生命を守るように、注意が向き易くなっているのである。

「知覚循環」

歩いているヒトを知覚する

空間的にも時間的にも連続的に変化し続ける ⇒ 進行方向を図式で予期する。 次に、どこにヒトが移動するか予期できることによって、歩いているヒトを知覚し続けられる。 ※もし、突然ヒトが空に飛び立ったり、地面に埋もれていったりといったことが起こったとしたら、そのような図式は無く、検出した刺激情報を知覚し、理解するまでに時間がかかる。 ↑このような時、新しい図式が作成され、新しい知覚循環が始まる。

対象を図式で知覚し、また次の探索に図式を用いる。↓ 図式は現在の周囲を知覚するためにも用いられるし、次の知覚すべきものの注意を払う指針にもなる。しかし、図式は1コマ1コマ区切られたものではなく、時間的に連続した一つのまとまりとして知覚している。

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「触知覚」

感覚器官

※視覚は眼球の網膜を光の検出器として、特定の刺激を取り出す感覚器官を持つ。 ※同様に、聴覚は鼓膜を音波の検出器として、特定の刺激を取り出す感覚器官を持つ。 ⇒触知覚も時間的連続性の中にある。 しかし、触知覚には、特有の検出器というものがどのように存在するのかわからない。更に、刺激と反応のはっきりとした区別が曖昧である。 ↓↓↓ 自己以外のもの…対象物に触れる。触れている部分からは、対象物の情報が得られるのだが、それは受信であるのか発信であるのか区別ができない。

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刺激と反応の区別が困難な触知覚であるが、探索活動と知覚活動が時間的連続性の中で存在することを確認できるものである。

「聞くこと」・「数種のモダリティ間の情報の結合」

聞くこと

時間的連続性を必要とする。 時間的連続性 音圧の初めの一瞬は知覚できても意味を持った音として知覚が開始されるのは、時間的連続があってからである。

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聞くことの「選択的注意」

カクテル・パーティ効果(1953年・チェリー) →自己に知覚しやすい興味深い内容の会話を選択的に注意を向けて、知覚する。
数種のモダリティ間の情報の結合 見て・聞いて、未来を予測する。 同時に与えられる複数の刺激を統合

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視知覚で捉える「歩く人の姿」聴知覚で捉える「音の強弱」と「聞こえる方向」歩く人を知覚するには上の2種類のモダリティの知覚が結合している。

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